2016年01月30日

大豆の脱穀と選別について

こぐま塾HPをご覧いただきありがとうございます。
引き続き、大豆の脱穀と選別についてです。

大豆の脱穀に使う伝統的な農具は「くるり棒」「殻竿・唐棹(からざお)」などと呼ばれるのですが、塾長の持っていたくるり棒は数年前に壊れてしまったため、今ではコンポスト用の容器(新品)に大豆を枝ごと打ち付ける方法をとっています。
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脱穀が済んだ莢(さや)と枝は、電気や機械を使って粉砕するでもなく、そのまま大豆畑に返します。ゆっくりゆっくりと分解されて、また来年以降の豊かな営みへとつながってゆきます。

脱穀直後、コンポスト容器を持ち上げるとまだ小枝や莢がたくさん混じっています。
おおまかに手作業で取り除き、あとは屋内などでゆっくり選別作業を行いましょう。
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アグリコースのみなさんは、右の写真のように
脱穀の際にとても丁寧に莢を取り除かれていたので、豆の選別がとても楽そうです!


そろそろ味噌作りに向けて、各ご家庭で大豆の選別作業を始めていただきます。

お子さんと一緒に楽しくゆっくりと進めてくださいね。
決して、お母さんの夜なべ仕事にしないように・・・!

選別の目安を写真でご説明いたします。ご参考になさってください。


まず、どうしても使えないNG豆がこちら。
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ただ、せっかく丹精込めて育てた大豆。捨てずに、節分の豆まきにお使いください。
鬼を追い払うパワーは十分です!

次に、実はOKな豆がこちらの「虫食い」。
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虫に食べられてはいますが、中身はしっかりしています。
虫食いのカスが気になる場合は爪の先で軽く汚れを落とします。
味噌作りでは、水洗いの時点でこの汚れはほぼ落ちてしまうので心配はいりません。

非常に悩ましいのがNGとOKの中間。どっち・・・?
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こうした豆は、割ってみるとすぐに判断できます。
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左の豆は中身がしっかりしているからOK。右は中まで傷んでいるのでNGと分けられます。
例えば左の豆の皮は真っ白にカビており、選別で取り除いてもいいのですが、
結局は水洗いで分離してくるので、この時点では放っておいても大丈夫です。

全体的にシワシワしている(だけ)、他と違う色や模様がついている(だけ)、
といったこれらのお豆もOKです。
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塾長が長年育てているうちにいくつかの品種ができてきたようで、虎模様の豆、
全体がこげ茶の豆や、緑のベースに黒紫の丸や斑点入りの豆など、色々と見つかります。
どの模様もおいしい大豆です。シワシワ豆も水につけると、シワのない美しい大豆になります。


テーブルに選別のための容器を3つ用意し、
「○」「×」「△」などを決めて取りかかるといいでしょう。
ご家族でわいわい選別を楽しんでいただければ嬉しいです。


大豆の脱穀レポート、ならびに選別の目安については以上です。

2月20日(土)の味噌作りのため、前日19日(金)から下準備が必要となります。
詳しくは味噌作りの詳細としてまた追ってご案内差し上げます。



来年度のアグリコース参加者の募集を開始しました。
ご質問なども受け付けております。どうぞお気軽にご連絡ください。




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2016年01月29日

大豆の収穫からお米の精米までの様子

こぐま塾HPをご覧いただきありがとうございます。

アグリコースでは、11月から1月にかけて
大豆の収穫、乾燥、お米の脱穀、籾すり、精米などを順次行ってきました。
そんな数々の野良仕事の様子を、振り返ってご報告したいと思います。

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11月21日の集合日には、大豆を収穫しました。

夏から秋にかけて、丁寧に草刈りをされていた方の区画は
自然農では特に理想的な、優しげな柔らかい種類の雑草たちがふんわりと育ってきていました。
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畑で立ったまま、莢(さや)がカラカラになってきた大豆たち。
ノコギリ鎌で地上部を刈り取るのですが、せっかくなので、根っこも見ていただきました。
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マメ科の植物の根っこには「根粒菌」といって、畑の土を豊かにしてくれる菌が共生しています。
その名のとおり、粒がくっついているのが見えますね。
空気の中にあるような栄養(窒素)を菌が取り込んで土に蓄えている(窒素固定)のです。

刈り取った大豆を束にしていきます。束ねるのには、自然に還る素材の麻紐を使います。
後で竹にひっかけるため、紐を長く取り、両端にひと束ずつ縛ってゆきます。
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夏の草刈りがこまめにできていたかどうかで、大豆の収穫量は大きく違いました。
塾長一家は手入れが行き届かず、O田さん一家のたっぷりとした大豆に感動・・・。

田んぼの向こうに作ったお米の干し場まで、束ねた大豆を運びます。
ご家族で頑張って育てた大豆、こんなに山盛り!! お見事です!
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干してあったお米の粒を生でかじってみて、脱穀できる状態かどうかを確認しました。
歯で噛んだときに「ガリリ」と音がして砕ければ脱穀OKのサインですが
断続的に雨が降ったこの時期、まだ乾燥しきっておらず、お米の脱穀は先延ばしとなりました。
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11月下旬なのにぽかぽか陽気で、どんどん薄着になっていく子どもたちです。

運び入れた大豆を稲架(おだ)にかけて、じっくり天日干しにします。
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一般的な大豆生産ではコンバインで収穫し、乾燥機で乾燥させますが
自然農においては、土を重機で踏み固めることも、化石燃料を使うこともない、手作業収穫。
そしてお日様と風の力で、じっくりゆっくり乾燥です。


そして12月に入ってからは、各ご家庭の都合がつくタイミングで
お米の脱穀を順次進めていただきました。昔ながらの足踏み脱穀機で、親子で脱穀作業です。
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たっぷりの稲束が嬉しいですね!
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お米が飛び散らないよう、足踏み脱穀機の周囲はスダレや板で囲んであります。
子どもたちが覗きこんでいる脱穀機の後方には、脱穀後の・・・

籾つきのお米が出てきます。藁くずもかなり一緒になっているので、手作業で取り除きます。
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自然農では、脱穀したあとの藁束や、飛び散ったり手作業で取り除いたりした藁くずは
きちんと集めておいて、最後に田んぼに返します。これが翌年の田んぼの豊かさにつながります。

藁くず取りに飽きたら遊んで、遊びきったらまた戻ってきて。
子どもたちは色んなものに興味が移って楽しそうです。
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大人から「教科書で見たことある〜!」と声のあがった、唐箕(とうみ)。
脱穀した後のお米のうち、藁屑など余計なものを風で選別する、これも伝統的な農具です。
足踏み脱穀機から出たお米を上から入れ、まだ残っている藁くずを取り除いてゆきます。
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出口は2つあって、真っすぐ落ちる一番出口からは、お米だけが出てきます。
二番出口からは、風でちょっと横に飛ばされた分が出てくるため、お米と藁くずが混ざっています。

二番のものはまた手作業で藁くずをおおまかに取り除き、再び唐箕にかけます。
これを繰り返すことで、藁くずの入っていないお米が、籾(もみ)の状態で揃ってゆきます。

最後は、精米機に入れます。ここだけこぐま塾でも電気のお世話になります。
これは循環式精米機といって、唐箕と同様に何度もこの機械を通して(=循環)、精米します。
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しかしここまでの工程に時間がかかったため、この日は精米が終わりませんでした。

そこで各家庭ごとに籾を区別してお預かりし、
白米までの最終的な精米は後日、塾長が行うこととなりました。
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さて、ここからは1月です。
2月のお味噌作りに向けて、そろそろ麹屋さんに白米を持ち込まなければなりません。

家庭ごとの収穫量を確認し、別々に精米してゆきます。
(麹になるときは全部が混ざって仕上がるのですが、
 収穫量が十分だったご家庭は、お味噌にしない分を新米として楽しめるのです。)
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最初は上の写真の通り、全部が籾つきだったのが、精米機を通過するごとに
籾が割れ、選別され、籾から籾まじりの玄米へと、精米が進んでいきます。
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麹屋さんには白米の状態で持ち込むように言われているため、
玄米から三分づき、七分づき・・・と、白米目指して精米を繰り返します。
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精米機の横からは、籾ガラや米ぬかがどんどん出てきます。
自然農ではこれも田んぼに返したり、地力の弱い畑にふわっと撒いたりします。

そして精米の完了!
つるつるの白米よりは何歩か手前の、胚芽米の状態で完成としました。
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翌日にはさっそく、筑波山麓にある昔ながらの麹屋さんに持ち込み、
2月の味噌作りに向けて米麹を仕込んでいただくようにお願いをしてきました。楽しみです!


大豆の脱穀や選別については、また別途ご報告したいと思います。
2月20日(土)の味噌作りも、改めてご案内いたします。



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2016年01月02日

こぐま塾 2016年度アグリコース -いのちの田畑-

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■名称
 こぐま塾 2016年度アグリコース -いのちの田畑-

■目的
・自然農での米作り・大豆作りを通して
 自然環境と人間との関わり、食や農の根本を身体で学ぶ。

・社会全体が「今すぐ・手軽に・簡単に」と傾倒している中で
 1年を通して「待つこと・育てること」を経験し、根気強さや持続力を培う。

・日本が世界に誇る発酵食品「味噌」を米と大豆から作り、
 本来の発酵について、また日本の伝統的食生活について学ぶ。


■メッセージ

おじいちゃんおばあちゃんが子どもだった頃、agri-img-141101.jpg
子どもたちは田畑で働く親を手伝い、
農作業の大切な担い手として、
家族全員で食糧を生産していました。

しかし、わずか数十年の間に、
田畑と台所は遠く離れてしまい
生きるために大切な学びの場が、
次々と失われてゆきました。

自分の身体を作ってくれる食べ物への感謝、
その向こうにいる人々への感謝も薄れてしまいました。


根気強く物事に取り組む。
長い時間軸で物事を捉え、自分を信じて挑戦し続ける。
食べ物の背景を知り、感謝して命をいただく。

こぐま塾が子ども達に培ってほしいと願うことは
すべて農業の中にありました。agri-img-20141108.jpg


まずは、親の背中を見せましょう。
子どもはそのへんで遊んでいる、始めはそれでいいのです。

田畑で汗を流し、楽しむ大人の姿が傍らに合ってこそ、
子ども達は食べ物の背景を身体で感じ、
感謝して命をいただくようになると思うのです。


親子で田畑に赴き、お米と大豆に向き合う一年間。
みなさまと過ごす日々を楽しみにしております。


■概要
「耕さず、肥料・農薬を用いず、草や虫を敵とせず」の自然農。
その田んぼと畑で、親子単位で区画を持ち、種からお米と大豆を育てます。

基本的にはご家庭それぞれのスケジュールで田畑を管理します。
毎月の集合日には塾長が折々の農作業を教えます。

ご自身の区画でとれたお米と豆を使って、2月には味噌作りを行います。
(参考)自然農について
※塾長の主催する自然農の体験農園
「つくし農園」へリンクしています


■参加対象agri-img-20140705.jpg
幼児〜中学生までのお子様とその保護者
※幼児・小学生は親子で参加できるご家庭限定。
※中学生は単独で参加していただいても結構です。

※倍の広さでの本格的な自然農体験をされたい方(成人向け)には、
 つくし農園での「味噌コース」にご参加ください。

■参加資格
「耕さず、肥料・農薬を用いず、草や虫を敵とせず」の自然農の理念に共鳴し、
年間を通して田畑の作業に参加できるご家族

■集合日スケジュール
2016年
  4月16日(土) 苗代作り・お米の種まき
  5月14日(土) 苗のお世話
  6月11日(土) 大豆の種まき
  6月25日(土) 田植え&大豆の種まき
  7月 9日(土) 草刈りagri-img-201406014.jpg
  7月23日(土) 草刈り&プール
  8月 6日(土) 草刈り&プール
  9月10日(土) 草刈り
  10月22日(土)稲刈り
  11月19日(土)脱穀・精米・大豆の収穫
  12月17日(土)大豆の脱穀
2017年
   2月11日(土)味噌作り

※集合日は親子でご参加ください。
※集合日に教える農作業については、参加できなかった方にも共有します。
 ご家庭や学校、習い事等のイベントで参加できない回があっても
 ご家庭それぞれのタイミングで田畑を手入れしていただければ結構です。
※つくし農園の味噌コース参加者との共同開催となります。 

■場所
 茨城県つくば市玉取   ※塾長の主催する自然農の体験農園「つくし農園」エリアにて開催します。
   (参考)交通案内
庭.jpg リビング.jpg 窓の向こう.jpg くわがた.jpg


■参加費
 1家族40,000円(年間)
 ※内訳:3,000円×12ヶ月+味噌作り経費4,000円=40,000円/年
  農地という性格上、12ヶ月分の区画費用をいただいています。
 ※プールは任意参加、費用は別途実費です。
 ※こぐま塾の区画は、親子で取り組むのに適切なサイズとして、つくし農園の区画の1/2です。

■申し込みについて
以下のフォーマットに従って必要項目を記載のうえ、お申込みください。
※本件でお預かりした個人情報は「こぐま塾」運営の目的においてのみ利用いたします。

【申し込みフォーマット】
------ここから------------------
1.参加者(全員)
 氏名(ふりがな)・性別・お子様の年齢と学年
2.住所
 〒
3.電話番号
 (自宅)
 (携帯)                
4.メールアドレス
5.交通手段
6.アレルギー等 気になること
7.お申込みのきっかけ(何で知りましたか?)

------------------ここまで------


【申し込み先】
 komatsu★zassouya.com (★を半角@に直して送信)
メール送信後、2日以内にこちらからの返信がない場合は、
メールが届いていない可能性がありますのでお電話ください。

電話: 080-7009-0952 (雑草屋代表 小松学)


■主催
 こぐま塾  by 雑草屋 
  自然農体験「つくし農園」
  自然農野菜販売「雑草屋本舗」
  コミュニケーションのワークショップ「話す・聴く・気づきのワークショップ」



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ラベル:自然農
posted by 小松 at 10:03| Comment(0) | アグリコース(味噌) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする